うまみ成分として添加されている<i>Candida utilis</i>(別名: トルラ酵母)を含む学校給食を喫食後に呼吸困難を呈し,血中<i>Candida utilis</i> IgE抗体を証明した2症例―prick to prick testの有用性―

  • 黒坂 文武
    くろさか小児科アレルギー科
  • 西尾 久英
    神戸大学大学院医学研究科地域社会医学・健康科学講座疫学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Two school children showed dyspnea after eating school meals including <i>Candida utilis</i> (alias: torula yeast), proved the blood <i>Candida utilis</i> IgE antibody, which is added as a flavor ingredient

この論文をさがす

抄録

学校給食に用いられているうまみ成分であるCandida utilis(CU)を含む給食を喫食し呼吸困難を呈し,血中CU IgE抗体を証明した2症例を経験したので報告する.症例1は7歳,男.小学校入学までは3回の喘息発作があったのみであったが,小学校に入学してから頻繁に喘息発作を繰り返しているために当院に受診した.母親から学校給食のスープのある日の内12回中11回発作が起こっているとの報告があり,スープそのものでprick to prick test(PPT)を施行したところ陽性.症例2は9歳,男.2歳より喘鳴出現するも6-7歳頃には改善していたが,8歳になって学校給食後喉が痒くなり咳き込んで息苦しくなる発作を繰り返すようになり,本人がスープが怪しいと証言したので,PPTを行い陽性であった.2名ともCUに対する特異的IgEを検出し,抑制試験で98.8%以上抑制された.学校給食によると思われるアレルギーの抗原検索には給食そのものによるPPTが有用と思われた.

収録刊行物

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ