頭頸部癌治療の個別化に向けて

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タイトル別名
  • Toward the tailor made therapy for head and neck cancer-from the thinking by surgical oncologist-
  • (From Bench to Clinic, Clinic to Bench)
  • - 腫瘍外科医としての考えから - (From Bench to Clinic, Clinic to Bench)

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抄録

導入化学療法 (IC) 後に化学放射線治療 (CRT) を選択した症例を検討した。IC で PR 以上の症例は、連日少量 CDDP 投与あるいは週 1 回 DOC 投与による CRT でも高い CR 率を得ることができた。一方、PR に達しなかった症例は同様の CRT では CR 率が有意に低かった (p < 0.01) 。IC で PR 以上の症例は、3 週ごとの高用量 CDDP 併用 CRT は必ずしも必要なく、連日少量 CDDP 投与あるいは週 1 回 DOC 投与による CRT でも根治が得られる可能性が示唆された。また頭頸部癌細胞株を用いたタンパクレベルからの網羅的解析を行い、抗癌剤耐性化規定因子の探索を行った。その結果、CDDP 耐性化に特異的な因子が存在する可能性が示唆された。頭頸部癌治療において、1 ) IC を施行すること、2 ) タンパクレベルからの網羅的解析で耐性化規定因子を探ることは、頭頸部腫瘍外科医として、その個別化を行う上で重要な方法であると考える。

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 57 (Suppl.2), S159-S164, 2011

    耳鼻と臨床会

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