自閉症児の音声言語要求の獲得と拡張に及ぼすPECSとマトリックス訓練の効果

  • 熊 仁美
    慶應義塾大学先導研究支援センター研究員 特定非営利活動法人ADDS
  • 山本 淳一
    慶應義塾大学文学部

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of PECS and Matrix Training on the Acquisition and Extension of Vocal Requests by Children With Autism
  • ジヘイショウジ ノ オンセイ ゲンゴ ヨウキュウ ノ カクトク ト カクチョウ ニ オヨボス PECS ト マトリックス クンレン ノ コウカ

この論文をさがす

抄録

一語発話期の4歳の自閉症児2名にPECSに準じた指導を行い、絵カードをフェイディングすることで音声要求を獲得できるかどうかを検討した。介入1では、絵カードの交換から、徐々にカードをフェイディングすることで、動作の要求を指導した。参加児は4つの状況刺激に応じた動作語(例:ちょうだい、とって)を用いた要求を獲得した。介入2では、名詞と動作のカードで構成した文ストリップの交換から、徐々にカードをフェイディングし、さらに名詞と動詞のペアをマトリックスで構成することで、訓練ペアの二語文要求の獲得と未訓練ペアへの学習の転移を検討した。結果、参加児は訓練ペア(例:コマ+ちょうだい)の二語文要求を学習し、未訓練の刺激ペア(例:コマ+とって)にも学習が転移した。本研究の結果、一語発話期の自閉症児にPECSを用いた指導を行い、絵カードをフェイディングすることで、音声言語機能と構造の発達の促進が可能であることが示唆された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 51 (5), 407-419, 2013

    一般社団法人 日本特殊教育学会

参考文献 (8)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ