静脈性嗅覚検査・希釈法の有用性に関する検討

  • 小林 正佳
    日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会 三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 三輪 高喜
    日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会 金沢医科大学耳鼻咽喉科
  • 黒野 祐一
    日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会 鹿児島大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
  • 丹生 健一
    日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会 神戸大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
  • 松根 彰志
    日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会 鹿児島大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
  • 内田 淳
    日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会 昭和大学耳鼻咽喉科
  • 都築 建三
    日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会 兵庫医科大学耳鼻咽喉科
  • 近藤 健二
    東京大学医学部耳鼻咽喉科
  • 志賀 英明
    金沢医科大学耳鼻咽喉科
  • 藤尾 久美
    神戸大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
  • 松脇 由典
    東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科
  • 本間 博友
    順天堂大学医学部耳鼻咽喉科
  • 中西 清香
    金沢大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
  • 三村 英也
    藤田保健衛生大学医学部耳鼻咽喉科
  • 小河 孝夫
    滋賀医科大学耳鼻咽喉科
  • 清水 猛史
    滋賀医科大学耳鼻咽喉科
  • 竹林 宏記
    兵庫医科大学耳鼻咽喉科
  • 愛場 庸雅
    大阪市立総合医療センター耳鼻咽喉科
  • 將積 日出夫
    富山大学医学部耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Multicenter Study of Modified Intravenous Olfactometry

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抄録

アリナミン注射液®を用いた静脈性嗅覚検査の問題点として,血管痛とアリナミン臭の嗅感消失後に再びその嗅感が出現することが指摘されている。この対策として,アリナミン原液2mlを生理食塩水10mlに希釈し,全体で12mlの液を40秒かけて注射する方法が良いという報告がある。本研究はこの新しい方法(希釈法)を多施設において施行し,現行の静脈性嗅覚検査(原法)よりも普遍的に有用であるかどうかを検証する目的で施行した。対象は15施設で募集した嗅覚正常者143人で,これを従来通りの原法と希釈法の2群に振り分けて静脈性嗅覚検査を施行し,潜時と持続時間,検査中の血管痛の有無,アリナミン臭の嗅感消失後嗅感再出現の頻度を比較検討した。その結果,各検討項目において原法と希釈法との間に統計学的有意差を認めなかった。以上より,希釈法は原法の短所を有意に改善した方法とは言えないので,静脈性嗅覚検査の現行方法を希釈法に置き換える必要はないと考えられる。<br>

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