補体関連因子の異常によるaHUS

書誌事項

タイトル別名
  • Atypical HUS caused by complement-related abnormalities
  • ホタイ カンレン インシ ノ イジョウ ニ ヨル aHUS

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抄録

非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は,微小血管症性溶血性貧血,血小板減少,急性腎障害の3徴候で知られている希少疾患である。aHUSという病名は,志賀毒素産生大腸菌(STEC)感染HUSと区別するために使用されてきた。aHUSの多くの症例(約70%)で,補体活性化第二経路に属する因子の遺伝子異常が報告されている。また,最近では凝固関連因子異常がaHUSの病因であることも示されたが,本稿では補体関連aHUSを中心に概説した。aHUSは上記の3徴候の他に,ADAMTS13活性が10%以上で,STEC感染が陰性の場合に疑われ,補体因子の遺伝子解析により診断されるが,未だに診断が困難である場合も多い。aHUSの初期治療は血漿療法とされてきたが,最近では補体C5に対するモノクローナル抗体eculizumabが有効であることが示され,病態解析が治療にも重要となった。早期診断による早期治療が,aHUSの予後改善に必要である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (2), 185-193, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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