南九州におけるラップサイレージの調製技術

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抄録

ラップサイレージは, 容積が小さく, 薄いストレッチフィルムでの密封である等の原因から, 発酵品質及び飼料品質の良好なサイレージを安定的に調製することが難しいといわれている。そこで, ラップサイレージ発酵品質, 飼料品質に関わる要因を明らかにするために, 本県で栽培面積が最も多い暖地型牧草ローズグラスとマメ科牧草アルファルファを材料草として用い, ラップサイレージ調製技術に関する試験を行った。<BR>7月から9月に調製したローズグラスラップサイレージの発酵品質は, 調製時水分, 貯蔵期間, ストレッチフィルムの色及び巻数が影響していることがわかった。調製時水分は40~60%, 貯蔵期間は6ケ月以内, ストレッチフィルムは, 白色を用い, 50%重ね2回4層巻き以上にすることにより, 発酵品質良好なサイレージを安定的に調製できた。さらに, 調製時水分約35%で調製した低水分サイレージでは, プロピオン酸製剤をプロピオン酸で材料草原物当り0.4%添加することにより, カビの発生を抑制できた。飼料品質 (一般成分含量, 消化率) は, 調製時水分, 貯蔵場所が影響していることがわかった。調製時水分は40~60%, 貯蔵場所は屋内にすることで, 飼料品質の高いサイレージを調製することができた。<BR>4から6月に調製したアルファルファラップサイレージの発酵品質は, 貯蔵期間に影響されず, 発酵品質良好なサイレージが調製できた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680371366144
  • NII論文ID
    130004970472
  • DOI
    10.11461/jwaras1970.27.2_17
  • ISSN
    18846408
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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