甲状腺乳頭癌と結腸癌の重複癌が頸部リンパ節に同時転移した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of synchronous thyroid papillary carcinoma and colon cancer of the neck node
  • 症例報告 甲状腺乳頭癌と結腸癌の重複癌が頸部リンパ節に同時転移した1例
  • ショウレイ ホウコク コウジョウセン ニュウトウガン ト ケッチョウガン ノ チョウフクガン ガ ケイブ リンパセツ ニ ドウジ テンイ シタ 1レイ

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抄録

48歳男性。下行結腸癌の診断にて手術予定であったが,術前CTを契機に甲状腺乳頭癌との重複癌が判明した。結腸癌手術の2カ月後に甲状腺亜全摘+D2aを行った。病理組織結果は乳頭癌,pT3EX1N1M0 StageⅣAであった。術後10カ月,頸部CTにて頸部リンパ節腫大を認め,細胞診にてMalignantであった。甲状腺癌の頸部リンパ節転移を疑い,残存甲状腺摘出および右鎖骨上リンパ節を含む頸部リンパ節郭清を施行した。病理組織では,残存甲状腺にびまん性結腸癌転移を認めた。また,頸部リンパ節には結腸癌由来と甲状腺由来の転移の他に混合する組織像を呈する転移も認めた。術後,甲状腺癌に関しては内用療法を行い経過良好であったが,結腸癌転移は化学療法を行うも,新たな骨転移や縦隔リンパ節などの再発を認め,術後16カ月永眠された。甲状腺乳頭癌はリンパ節再発をきたしやすいが,重複癌の場合など,他のリンパ節転移の可能性も念頭に置いた治療指針の決定が重要であると考えられた。

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