新生児聴覚スクリーニングを受けずに診断された両側難聴児の追跡調査:徳島県で平成16年度に出生した両側難聴児の7年間の経過

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  • Seven-year follow-up of infants born in 2004 in Tokushima with bilateral hearing loss diagnosed without newborn hearing screening

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抄録

  新生児聴覚スクリーニングの実施率の低かった平成16年度に徳島県で出生した児の新生児聴覚スクリーニングの実施状況,両側難聴と診断された児の診断に至った経緯と 7 年間の経過を追跡調査した。平成16年度に徳島県で出生した新生児6493人のうち,2894人(45%)が新生児聴覚スクリーニングを受けたにすぎず,23人が refer と判定されたが,1 次精査機関を受診した児は12人のみであり,1 人が両側高度難聴と診断された。4 か月で補聴器を装用し,聴覚学習を開始した。ところが,新生児聴覚スクリーニングを受けて pass した児の中から 1 人が,2 歳11か月時に両側中等度難聴と診断され,進行性難聴が疑われた。一方,新生児聴覚スクリーニングを受けなかった3599人から,5 人が両側難聴と診断され,補聴器の装用開始は22か月から61か月であった。新生児聴覚スクリーニングの実施率の低い県の場合,難聴の早期診断ができず療育の遅れにつながると考えられた。

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