S-PRGフィラー含有コーティング材のエナメル質脱灰抑制効果に関するOCTによる検討

DOI オープンアクセス
  • 村山 良介
    日本大学歯学部保存学教室修復学講座
  • 松吉 佐季
    日本大学歯学部保存学教室修復学講座
  • 柴崎 翔
    日本大学歯学部保存学教室修復学講座
  • 土屋 賢司
    日本大学歯学部保存学教室修復学講座 土屋歯科クリニック & Works
  • 瀧本 正行
    日本大学歯学部保存学教室修復学講座
  • 川本 諒
    日本大学歯学部保存学教室修復学講座 日本大学歯学部総合歯学研究所生体工学研究部門
  • 黒川 弘康
    日本大学歯学部保存学教室修復学講座 日本大学歯学部総合歯学研究所生体工学研究部門
  • 宮崎 真至
    日本大学歯学部保存学教室修復学講座 日本大学歯学部総合歯学研究所生体工学研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • The Effect of Coating Material Containing S-PRG Filler on the Prevention of Enamel Demineralization Detected by Optical Coherence Tomography

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抄録

 目的 : S-PRGフィラー含有コーティング材が, ウシエナメル質の脱灰抑制に及ぼす影響を, 光干渉断層画像法 (Optical Coherence Tomography, OCT) を用いて検討した. <br> 材料と方法 : ウシ抜去歯エナメル質を4×4×2mmのブロック体に調整した. コーティング材としては, PRGフィラーを含有するPRGバリアコートを用いた. 試片に対する脱灰条件としては, 1日につき2度, 0.1mol/lの乳酸緩衝液 (pH 4.75) に10分間浸漬を行い, 37°C人工唾液に保管した. バリアコートを塗布して脱灰条件で保管した試片をPRG群, これを塗布せずに脱灰条件で保管した試片をDe群, 脱灰を行うことなく37°C人工唾液中に浸漬した試片をControl群とした. 次いで, OCTによる測定によって得られた信号強度分布の解析を行った. 得られた各測定値から, 有意水準0.05の条件で統計学的分析を行った. <br> 成績 : OCT測定の結果から, シグナル強度と1/e2幅の積に関しては, Control群においてはシグナルの変化はほとんど認められなかったが (1,855~2,425), De群では有意な低下が認められた (1,521~1,990). 一方, PRG群では, 実験開始から7日目でこの値は倍となり, その後緩やかに上昇する傾向が認められた (1,560~3,666). これは, エナメル質表層の結晶構造の緻密化によって散乱光が減少し, 透過光成分が増加したためと考えられた. <br> 結論 : 本実験の結果から, S-PRGフィラーを含有するコーティング材は, エナメル質の脱灰抑制効果を有することが明らかになった. また, OCTを用いることによって, エナメル質における初期の脱灰および石灰化の様相を検討することが可能であることが示された.

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