鯖江市における健康体操「メタボリック55」の普及・実践について

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抄録

【目的】<BR> 鯖江市において、市民に対する健康増進、メタボリックシンドローム予防・改善のための健康体操を考案し、普及ならびに実践活動を行っている。今回、理学療法士の視点からの運動内容の選択、メディア媒体を活用した普及活動の効果などにおいて、若干の知見が得られたので報告する。<BR>【方法】<BR> 今回、家庭における運動習慣の継続に主眼を置き、短時間で、効率よく、意味のある運動を、楽しくできる、簡単な健康体操「メタボリック55」を考案し、普及・実践を図った。住民アンケートをもとに、体操は5種類とし、それぞれを1分間ずつ行い、合計5分で終了することにした。内容は、1良い姿勢を作るための背筋強化 2膝関節周囲筋のコーディネーションを目的としたクウォータースクワット 3心肺機能の向上を目的とした腕振り運動 4下肢の筋力強化を目的としたレッグレンジ(アイーンのポーズ) 5大腿四頭筋、腸腰筋の強化による解糖能力向上を目的としたラルゲットゲイトを用いた。<BR> 普及方法として、講座・イベント等での直接指導、ペーパー資料の配布、鯖江市ホームページでの動画配信による紹介等を積極的に行なった。<BR>【結果】<BR> 鯖江市ホームページによる動画配信には、配信開始2ヶ月で約2万件のアクセスがあり、市内外、県外からの問合せが多く寄せられた。各種ブログやホームぺージでの紹介や新聞7社、テレビ3社、ラジオ2社からの取材を受け、町内出前講座の依頼も前年比の3倍となり、市民の関心をおおいに高める結果となった。運動後の爽快感と心地よい疲労感が好評となり、「これなら続けられる」と、家庭や職場で継続した実践を得ることができた。加えて、体重や血糖値・コレステロール値の改善、関節痛緩和などの効果も多く寄せられた。<BR> 高齢者などインターネット環境が整っていない状況にも対応し、DVD等のメディア媒体を作成し配布した。また小学校等での取組みもあり、幅広い年齢層に浸透した。<BR>【考察・まとめ】<BR> 運動習慣づくりには、最初の「きっかけ」と継続への「仕掛け」、実践による「効果」が必要であると考える。そのためにも、理学療法士としての視点からの効果の出る環境設定、説明力、表現力、企画力等が求められていると考える。今後も情報媒体を選択しながら、わかりやすく、意味のある、楽しい健康づくりを推進していきたい。<BR> 鯖江市ホームページ http://www.city.sabae.fukui.jp/ (ちかもんくんと一緒に健康体操)

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2007 (0), E0321-E0321, 2008

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205567448704
  • NII論文ID
    130005016039
  • DOI
    10.14900/cjpt.2007.0.e0321.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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