日本におけるPolitical Geography誌の購読と引用
書誌事項
- タイトル別名
-
- Subscription to and citation of Political Geography in Japan
- The role of an English journal in the construction of a sub-discipline
- サブディシプリンの形成と英文雑誌の役割
抄録
第二次世界大戦後、日本における人文地理学のサブディシプリンとしての政治地理学は1970年代の終わりから1980年代の中頃にかけて活発な研究分野ではなかった。しかし、1990年代以降、斯学において「政治」を扱う研究が増えつつある。これは、冷戦の終焉やグローバリゼーションの進展にともない国家の諸前提が問われるようになったことと、論理実証主義と従来のマルキシズムの限界を克服するために日本の人文地理学にも批判社会理論が活発に導入されるようになったことに起因すると考えられる。つまり、日本の人文地理学が一種の「政治的転回」を経験したのである。しかしながら、こうした変化は果たして日本における内発的な学問の発展を意味するのであろうか。むしろ、西欧諸国の地理学理論を適用した結果であると考えることができないだろうか。<BR> 本研究は、日本の人文地理学における「政治化」を西欧(特に英米)での政治地理学の進展と対比させることによって、この「政治化」の一側面を明らかにしたい。具体的には代表的な英語圏の政治地理学専門誌であるPolitical Geography (Quarterly)誌(以下、PG誌)の購読・引用分析を通して、PG誌による日本の人文地理学研究へのインパクトを検討する。これにより、日本における地理学のサブディシプリンの形成を、英文の「国際的」地理学雑誌の影響と関係付けて理解する一つの手がかりを得ることが出来るであろう。
収録刊行物
-
- 人文地理学会大会 研究発表要旨
-
人文地理学会大会 研究発表要旨 2005 (0), 3-3, 2005
人文地理学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205592365312
-
- NII論文ID
- 130005020895
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可