近世初期における小袖意匠形式の変遷

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タイトル別名
  • The Design Forms of the Kosode in the Early Edo Period

抄録

本発表では前述した小袖意匠群を検討した結果をもとに、そこから得られた意匠形式について室町時代末期から江戸時代初期の間では、どのようなかたちで寛文小袖へ引き継がれる意匠が形成され、どのように移り変わっていったのかその変遷を検討していく。また時系列にその連繋を明らかにし、本研究で論じてきた各意匠形式とその前後に現れていた小袖意匠様式との関連性についても言及を行う。なお、対象資料としては今回も実物資料、および絵画資料を用いることにする。 近世初期における小袖意匠について、時系列にその連繋を明確にするために先学の小袖意匠様式を踏まえながら、2つの意匠形式について検討した。時系列に俯瞰すると、第一に区画に収められていた文様が出現して、その文様が強調されるようになるということ、第二に小袖意匠形式のそれぞれがその前後の時代における小袖意匠様式と意匠形式上、連繋していること、第三には同時期に発生した複数の小袖意匠形式は相互に、意匠形式が持つ要素の一部を交換し合って成立していることを指摘することができた。すなわち、ある一つの形式が単体で同時期に存在するのではなく、複数の形式がその中に存在する特徴的なある要素を互いに転用したり、交換し合いながら次の時代の形式、あるいは様式を作り出しているということが認められた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680585501056
  • NII論文ID
    130005022776
  • DOI
    10.11247/jssd.56.0.e24.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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