日本におけるウィルダネス指定の可能性 Potential of wilderness designation in Japan

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抄録

米国のウィルダネス法(1964)は世界各国の保護地域システムに影響を及ぼし、日本の自然環境保全法(1972)もその一端であると言われる。さらに、IUCNの保護地域カテゴリ(1994)においてもⅠbとしてウィルダネスが位置づけられた。だが、米国のウィルダネスと日本の自然環境保全地域およびIUCNの保護地域カテゴリⅠbの展開過程の比較から2つの課題が明らかになった。第1に、米国では国立公園や国有林という保護地域内のゾーンという位置づけであったのが、独立した保護地域として位置づけられた。第2に、「無車道」で象徴される機械文明のない空間という原則が、曖昧になった。その結果、「世界保護地域データベース(WDPA)」には日本の原生自然環境保全地域5ヶ所がウィルダネスとされているが、IUCNのカテゴリならばⅠaとされるべき空間である。日本において本来のウィルダネスを展開するためには、自然公園などの保護地域から「無車道」の空間を抽出し、スノーモービル規制に類似した利用のゾーニングの導入が必要となろう。

収録刊行物

  • 日本森林学会大会発表データベース

    日本森林学会大会発表データベース 124(0), 37, 2013

    日本森林学会

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