電子書籍は紙の本を越えるか

  • 鈴木 雄介
    小学館インターメディア部次長 日本電子出版協会副会長 元・電子書籍コンソーシアム総務会長

書誌事項

タイトル別名
  • Will Electronic Books Surpass Paper Books?
  • 電子書籍は紙の本を超えるか
  • デンシ ショセキ ワ カミ ノ ホン オ コエル カ

この論文をさがす

抄録

もし、本がすべて電子化されたら、いつでもどこでもほしい本が手にはいる。印刷代、紙代がなくなるからもっと安くなる。ベストセラーの売り切れがない、返品がない、絶版がない、断裁しなくていい。10年後には100万冊の中から自由に本を選べる時代がやってくる。そんな、いいことづくめの期待を込めて「電子書籍の衛星配信の実験」が行われた。シンクロニシティな現象として、話し合いもないまま、ほぼ同時に、日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジアで「eBOOK」の事業化へ向けた組織が産声を上げた。パソコンやパソコン以外のものが、やっと「ものを読むメディア」としての十分な機能が、技術的に保証しはじめた。「ものを知るメディア」と「ものを読むメディア」の差を十分意識して、電子書籍という商品の「潜在能力」を引き出すことが実証されたと言っていい。高精細液晶の表現力、ネットワークの実力、出版資産の再活用、新しい表現作家の登場。近い未来に向けて、電子書籍ビジネスの可能性を「実証実験」の結果から、展望する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ