言語起源の生物学的シナリオ

• 岡ノ谷 一夫

  理化学研究所脳科学総合研究センター

書誌事項

タイトル別名

• A Biological Scenario for the Emergence of Language
• ゲンゴ キゲン ノ セイブツガクテキ シナリオ

抄録

言語はヒトに特有な行動だが、言語の起源を生物学的に理解するためには、「言語を構成する下位機能は動物とヒトで共通であり共通の神経解剖学的基盤を持つ」と仮定する必要がある。この考え方を、「言語起源の前適応説」と言う。発声可塑性、音列分節化、状況分節化の3つの下位機能（言語への前適応）について、動物実験から得られた知見にもとづき、これらの機能の進化的獲得過程と神経科学的基盤を考察する。得られた結果を総合して、言語に先立ち歌がうまれ、歌の一部と状況の一部が対応を持つことで単語と文法が同時に創発し、言語が始まったとする考え方を「音列と状況の相互分節化仮説」として提案する。

収録刊行物

• 認知神経科学

  認知神経科学 12 (1), 1-8, 2010

  認知神経科学会

キーワード

• 前適応
• 分節化
• 大脳基底核
• 海馬
• 前頭前野

詳細情報

• CRID: 1390001205226810368
• NII論文ID: 130005060302
• NII書誌ID: AA11408788
• DOI: 10.11253/ninchishinkeikagaku.12.1
• ISSN: 1884510X
• ISSN: 13444298
• NDL書誌ID: 10690922
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I10690922
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2010278804
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可