新任小学校教師の経験過程

書誌事項

タイトル別名
  • Elementary School Teachers’ Experiences :
  • 新任小学校教師の経験過程 : 1年間の継時的インタビューを通して
  • シンニン ショウガッコウ キョウシ ノ ケイケン カテイ : 1ネンカン ノ ケイジテキ インタビュー オ トオシテ
  • —1年間の継時的インタビューを通して—
  • Successive Interviews During Their First Year

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抄録

本研究は新任小学校教師9名を対象に1年間計4回の継時的インタビューを行い, 新任教師の経験過程を明らかにした。1学期, 夏休み, 2学期, 3学期末以降のインタビュー時期別に, 1: 子どもへの理解とかかわり方, 2: 先生としての自分のあり方, 3: 1, 2を促進する要因, 阻害する要因, について分析を行った。新任教師は【わからなさ/難しさに直面する】【子どもの色々な姿を見る】ことを通して徐々に【自分なりの感覚をつかむ】ことができるようになっていた。一方で【先生としてのあり方に悩む】ことと【自分らしいあり方が明確になる】ことを揺れ動きながら, 教師としてのアイデンティティを模索, 形成していた。担任クラスでの困難が大きく, かつ周囲のサポートが得られにくいときには【担任としての責任の範囲】に深く悩むことが示唆された。発達過程を阻害する要因として, 1学期時はリアリティ・ショックや環境への適応が強くあったが, 徐々にその影響は小さくなっていた。同僚教師や保護者との関係は, 阻害/促進どちらの要因にもなり得, 状況文脈によってその影響は大きく変わること, 新任教師にとっては主体性の発揮が大きなテーマであることが示唆された。

収録刊行物

  • 教育心理学研究

    教育心理学研究 62 (4), 305-321, 2014

    一般社団法人 日本教育心理学会

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