小児の足関節に発生した滑膜肉腫の1例

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抄録

【はじめに】比較的稀な小児の足関節に発生した滑膜肉腫の1例を経験したので報告する.【症例】症例は6歳の男児である.2歳頃より右足関節痛が出現.X線で明らかな異常なく装具で経過をみていたが徐々に跛行が増強.MRIにて右足関節後方に軟部腫瘤を認めたため,平成23年12月に当科紹介され初診となった.翌月に腫瘍切除術が行われ病理診断は滑膜肉腫monophasic typeだったが,術後MRIにて残存腫瘍が認められた.小児科で化学療法VCR+Act-D+IFO+DOX(VAIA)を行い残存腫瘍の切除を行ったが断端陽性だった.治療法の選択に苦慮したが患肢温存を優先し,化学療法の変更VAIA+エトポシド(VP16),放射線治療50Gy/25frを行った.術後2年4ヵ月の現在,腫瘍の局所再発や転移はみられていない.【考察】小児発生の滑膜肉腫は長期経過後の再発も報告されており厳重な経過観察が必要である.

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