強出力集束超音波を用いた胎児閉塞性尿路疾患の治療に向けての基礎的検討

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タイトル別名
  • Application of high-intensity focused ultrasound for fetal therapy: experimental study using an animal model of lower urinary tract obstruction

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抄録

目的:胎児閉塞性尿路疾患の外科的シャント留置術に代わる胎児治療として,強出力集束超音波(high-intensity focused ultrasound: HIFU)を用いて,下部尿路閉塞の胎児膀胱に瘻孔を形成することが可能かどうかを検討する目的で動物実験を行った.材料と方法:イメージング用プローブとHIFUトランスデューサを一体化させた治療器を作成し本実験に用いた.巨大膀胱の新生仔兎モデルを作成し,HIFU照射は脱気水で満たされた水槽内で行い,動物実験モデルの巨大膀胱により膨隆した下腹部にHIFUを照射した.照射した瘻孔部位は組織学的検討を行った.結果:5,500 W/cm2の超音波強度においてHIFU照射後60秒以内に膀胱皮膚瘻が下腹部に形成され,瘻孔から尿が噴出することを確認した.組織学的検討では瘻孔周囲の組織には損傷はみられなかった.結論:脱気水で満たされた水槽内での動物実験モデルではあるが,HIFU照射により母獣の腹壁,子宮に侵襲を与えることなく非観血的手技により胎児人工瘻孔を形成できる可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 42 (3), 347-351, 2015

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (13)*注記

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