何故，英語プログラムに留学するのか？

• 嶋内 佐絵

  日本学術振興会 横浜市立大学

書誌事項

タイトル別名

• Why Are Students Studying Abroad at English-Medium Degree Programs in non-English Speaking Countries?:
• 何故,英語プログラムに留学するのか? : 日韓高等教育留学におけるプッシュ・プル要因の質的分析を通して
• ナゼ,エイゴ プログラム ニ リュウガク スル ノ カ? : ニッカン コウトウ キョウイク リュウガク ニ オケル プッシュ ・ プル ヨウイン ノ シツテキ ブンセキ オ トオシテ
• ──日韓高等教育留学におけるプッシュ・プル要因の質的分析を通して──
• Qualitative Analysis on Push and Pull Factors regarding International Student Mobility at Universities in Japan and Korea

抄録

本研究の目的は，日本と韓国の高等教育における英語プログラムへの留学に関し，先行研究による国家的枠組や経済的視点を中心としたプッシュ・プル要因が提示できなかった留学動機を明らかにし，東アジア地域における新しい留学の形を留学生の視点から描き出すことである。研究方法として，日韓の名門国私立大学における９つの英語プログラムで，東アジア諸国からの正規留学生への質的調査を行い，その留学動機と留学の要因を多面的に探った。インタビュー分析の結果，留学に至るまでの要因は，既存の国家の枠組を基本にしたプッシュ・プル要因だけでなく，西洋英語圏における高等教育の優位性に基づくセカンドチャンス型やステッピングストーン型の要因など，分析枠組における「西洋英語圏」との比較軸の必要性が示唆された。また，国際化したキャンパスや事前の留学経験の中で生まれた人々とのつながりなど，ナショナルプッシュ・プル要因の多様化が見られた。さらに，これらの英語プログラムが「地域」という留学空間を含有していることでリージョナルなプル要因が生まれ，高等教育の地域化と「東アジア周遊」という新しい留学の形をもたらしていることも示唆された。このような留学生移動と多様化する留学動機を踏まえ，日韓の英語プログラムがどのようにしてその魅力を打ち出し，留学生を惹き付けて行くことができるのか，さらなる研究と議論が望まれる。

収録刊行物

• 教育社会学研究

  教育社会学研究 94 (0), 303-324, 2014

  日本教育社会学会

キーワード

• 高等教育国際化
• 留学
• プッシュ・プル要因

詳細情報

• CRID: 1390001205396818816
• NII論文ID: 130005075282
• NII書誌ID: AN0005780X
• DOI: 10.11151/eds.94.303
• ISSN: 21850186
• ISSN: 03873145
• NDL書誌ID: 025492070
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I025492070
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可