書誌事項
- タイトル別名
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- Aging and vascular function
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抄録
要約:血管の老化には,狭義と広義とに分けて考える必要がある.狭義の老化は,加齢・暦年齢に伴う血管障害であり,広義の老化は,加齢に加えて生活習慣病,運動不足,閉経などに伴う総合的な血管障害である.いずれにせよ,血管障害は老化に伴う合併症の中心の一つである.血管障害は,器質的障害が出現する前に,血管内皮機能障害が出現する.近年,薬物・運動療法などによる循環器合併症の発症予防において,内皮機能をサロゲートマーカーとして用いて経時的にモニターすることの重要性が注目されつつある.血管内皮機能の評価法は模索されているが,非侵襲的なFMD やRH-PAT が中心となっている.まだ現時点においてはどの検査法が最適なる血管内皮機能評価法かの答えは出ていないが,予後予測因子としての内皮機能検査の有用性は確立されつつある.狭義であれ広義であれ,老化による血管障害は,ヒトの平均寿命のみならず,健康寿命をも低下させ,QOL,ADL を著しく低下させる.適切かつ正確な内皮機能を測定し,最適なる治療戦略を練ることによるアンチエイジングの新時代が始まりつつある.
収録刊行物
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- 日本血栓止血学会誌
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日本血栓止血学会誌 26 (3), 302-309, 2015
一般社団法人 日本血栓止血学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204450135808
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- NII論文ID
- 130005078052
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- ISSN
- 18808808
- 09157441
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可