書誌事項
- タイトル別名
-
- A case of bilateral auricular chondritis with anti-glutamate receptor (GluRε2) antibody-positive non-herpetic acute limbic encephalitis
この論文をさがす
抄録
症例は62歳，男性．2012年6月初旬より両側耳介の疼痛や腫脹が出現し，1ヵ月半後に記憶障害が出現した．記銘力低下や失見当識をみとめ，頭部MRIでは両側側頭葉内側の異常信号と同部の腫脹を呈した．髄液検査で単形核球優位の細胞増多をみとめ，髄液での単純ヘルペスウィルスPCR陰性などから，非ヘルペス性急性辺縁系脳炎と考えられた．両側耳介病変より再発性多発軟骨炎がうたがわれ，ステロイド内服治療により両側耳介腫脹ならびに記銘力障害の改善をみとめた．本例では血清/髄液ともにGluN2B-NT2抗体（GluRε2抗体）が陽性であった．両者の合併機序として血管のみならずニューロンも標的とした自己免疫的機序も示唆された．
収録刊行物
-
- 臨床神経学
-
臨床神経学 55 (6), 395-400, 2015
日本神経学会