<b>乳酸菌バクテリオシンの探索と利用 </b>

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  • <b>Screening and applications of bacteriocins from lactic acid bacteria </b>

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抄録

乳酸菌の中には、バクテリオシンと総称される抗菌ペプチドを生産するものが存在する。乳酸菌バクテリオシンは一般に細胞膜に瞬時に作用して抗菌活性を示し、腸管内の消化酵素で容易に分解されて残留による環境負荷が少ないことから、耐性菌を生じにくく、安全性の高い抗菌物質と考えられている。とくにLactococcus lactis の一部の菌株によって生産されるナイシンA は、日本を含む世界50 ヶ国以上で食品保存料として利用されている。我々は、乳酸菌バクテリオシンの特徴を活かした安全な微生物制御の実現を目指し、ナイシンA の様々な分野への展開を図るとともに、ナイシンA に続く、優れた特性を有する新奇バクテリオシンを探索し、それらの構造と機能について研究を行ってきた。本稿では、ナイシンA をはじめとする乳酸菌バクテリオシンについて概説するとともに、ナイシンA の口腔ケア剤などの非食品用途への利用や、新奇乳酸菌バクテリオシンの探索とラクティシンQ やラクトサイクリシンQ などの新奇バクテリオシンの特性について、我々の成果を中心に紹介し、今後の展望を述べたい。

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