子宮体部から漿膜側へ有茎性に発育した子宮内膜間質肉腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of exophytic and pedunculated uterine high-grade endometrial stromal sarcoma
  • 症例報告 子宮体部から漿膜側へ有茎性に発育した子宮内膜間質肉腫の1例
  • ショウレイ ホウコク シキュウタイブ カラ ショウマクガワ エ ユウケイセイ ニ ハツイク シタ シキュウ ナイマク カンシツ ニクシュ ノ 1レイ

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抄録

子宮体部から漿膜側へ有茎性に発育する悪性腫瘍はまれである.今回われわれは,子宮内膜間質肉腫が子宮体部の漿膜側に有茎性に発育した症例を経験したので報告する.症例は61歳,未経妊.腹痛のため当院救急外来を受診した.超音波検査とMRI検査にて骨盤内に,壁が緊満に乏しく,内部に出血を伴う腫瘤(長径20cm)の存在と,骨盤内に内容液の漏出を疑う所見を認め,卵巣癌の破裂が疑われた.開腹手術を行ったところ,骨盤内腫瘤は子宮底から漿膜側へ有茎性に発育しており,両側卵巣に異常所見はみられなかった.術式は単純子宮全摘術および両側付属器摘出術とした.病理組織診断は,子宮体部筋層から発生した高悪性度子宮内膜間質肉腫であり,stageIBと考えられた.患者と相談のうえ,追加治療を施行せず経過観察としていたが,術後8カ月で腹腔内播種の所見を認めた.そのため化学療法を行ったが,その後に病状が悪化し,術後12カ月で原病死に至った.子宮体部から漿膜側へ有茎性に発育した高悪性度子宮内膜間質肉腫の症例は,和文と英文の文献を検索した限りではこれまでに報告がない.本症例の臨床経過を文献的考察も含めて報告する.〔産婦の進歩67(2):101-106,2015(平成27年5月)〕

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