指趾粘液囊腫の穿刺排液テーピング療法について

書誌事項

タイトル別名
  • Combination of Puncture, Drainage, and Compression by Tape for the Treatment of Digital Mucous Cysts : Review of 123 Cysts in 116 Patients
  • 治療 指趾粘液嚢腫の穿刺排液テーピング療法について : 自験116症例123病変の検討
  • チリョウ シシネンエキノウ シュ ノ センシハイエキ テーピング リョウホウ ニ ツイテ : ジケン116 ショウレイ 123 ビョウヘン ノ ケントウ
  • ―― 自験 116 症例 123 病変の検討 ――

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抄録

2009 年 10 月から 2014 年 2 月までに経験した指趾末節部背側の指趾粘液囊腫 116 症例,122 指趾 123 個について報告した。年齢性別,部位,爪甲の縦走陥凹・ヘバーデン結節の有無について調べた。また,穿刺排液後にテーピングによる圧迫療法を行ったので,その有用性について検討した。年齢は 28~87 歳で,平均 62.0 歳。男女比は男 48 例(40%),女 71 例(60%)であった。部位は手指 103 個,足趾 20 個で,中指が46 個と最も多く,第 5 趾には囊腫を認めなかった。爪甲の縦走陥凹,手指のヘバーデン結節の有無について,それぞれ 60 指趾,58 指で検討を行い,27 指趾(45%),23 指(40%)に認めた。テーピングによる圧迫療法の治療経過については,経過の判明した 45 指趾 45 個中,治癒が 39 指趾 39 個で治癒率は 87%であった。その治癒病変の穿刺回数は 0~19 回で,平均 2.8 回であった。また,治癒部のテーピング期間は 1 週~29 カ月で平均 4.4 カ月であった。穿刺テーピング法は,簡便で日常生活の中で行えて,低侵襲性で非常に有用な手技と考えた。また,指趾粘液囊腫の圧迫で生じる爪甲縦走陥凹は,診断と治癒判定に役立つことも強調した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 77 (2), 153-158, 2015

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (6)*注記

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