変容するリトルトーキョー

書誌事項

タイトル別名
  • Changing Little Tokyo:Recent Trends in Redevelopment and the Creation of a Public Art Space in an Urban Ethnic Enclave
  • 変容するリトルトーキョー : 再開発の進展とパブリックアート空間の創出
  • ヘンヨウ スル リトルトーキョー : サイカイハツ ノ シンテン ト パブリックアート クウカン ノ ソウシュツ
  • ──再開発の進展とパブリックアート空間の創出──

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抄録

本稿は,ロサンゼルスの日系エスニック・タウン,リトルトーキョーの変容過程を,再開発による建物・施設の新築・修復など実体的過程及びパブリックアート創造など表象的過程の両面に着目して検討し,その構造的本質を考察したものである。<br>リトルトーキョーは,1970年から始まった都市再開発事業によって,1994年段階までに28のプロジェクトが完了し,住宅,ホテル,商業用オフィス・スペース,小売り商業用スペースなどが整備された。1995年以降はやや再開発の速度が停滞したが,4棟の大型集合住宅が建設され,近傍の民間開発と合わせて居住機能が強化された。また,パブリックアート創造など表象的事業が再開発過程に組み込まれ,現在多数のパブリックアート,記念碑,ロゴマーク,バナー等が域内に存在して一大表象空間と化している。<br>このような変容動向をエスニシティの観点から見るとき,脱日系,マルチエスニック化への方向と日系エスニシティの維持・強化への方向との2つの異なったベクトルが指摘できる。この両者の関係は,「空間的ストレス─シンボル化」モデルから解釈され,さらに抽象化すれば「想像された空間」と「生きられた場所」との弁証的相克として理解される。

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参考文献 (12)*注記

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