鼻科基礎研究ハンズオンセミナーの取り組みと今後の課題

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  • A Pilot Trial for a Hands-on Seminar on Basic Research at the 53rd Annual Meeting of the Japanese Rhinologic Society and Its Future Perspectives

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抄録

近年,本邦における臨床医の基礎研究力の低下が指摘されており,大学などの研究機関に所属する研究医の減少がその成因に寄与すると考えられている。そこで,日本鼻科学会学術講演会で,基礎研究に対するモチベーションの向上を目指して基礎ハンズオンセミナーを開催し,参加者にアンケート調査をおこなった。結果,97%が「今後もこのようなセミナーを積極的におこなっていくべきである」と回答した。また,研究をおこなっていくための問題点に関しては,研究時間,人員数,研究費などの環境要因が不足していることが明らかになった。さらに,本学術講演会の一般演題(口演やポスター)で発表された総数に対する基礎的な演題数の割合に関して検討をおこなったところ,2000年では28%であったが,その後漸減し2014年では10%まで落ち込んでいた。このことから,本学会の基礎的研究の演題数が減少していることが明らかになった。このように様々な環境要因で研究を遂行することが困難となっているため,学会が中心となってサポートしていく必要があると考えられた。学会が中心となってこのようなハンズオンセミナーを継続することによって,各個人の基礎的研究力の維持と向上が図られるだけでなく,各大学の横の繋がりも強化されることが期待された。

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