虚血性心疾患に伴う心室不整脈に対するリスク層別化と薬物療法

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タイトル別名
  • Risk Stratification of Ventricular Arrhythmia in Patients with Ischemic Heart Disease and Pharmacotherapy

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抄録

心臓突然死の基礎心疾患として,虚血性心疾患は代表的疾患である.心臓突然死の多くが心室頻拍や心室細動などの致死性不整脈によることから,虚血性心疾患に伴う心室不整脈に対するリスク層別化は,心臓突然死予防に重要な役割を果たしている.これまでの臨床研究の結果からは,画像診断で測定される左室駆出率が致死性不整脈出現リスク評価におけるスタンダードな指標となっている.左室駆出率以外にも,心室遅延電位(late potentials:LP),T-wave alternans(TWA),心拍変動解析,Heat rate turbulence(HRT)などの非侵襲的心電学的指標も有用とされている.特に,再分極異常を反映するTWAについては多くのエビデンスが報告され,左室駆出率に次いで有用な指標と考えられている.ひとつの心電学的指標による陽性的中率は高くないが,複数の指標を活用することで予知精度を向上することができる.近年,デジタルホルター心電計の進歩により,その複数の心電学的指標を同時に計測することが可能となり,その有用性を立証する多施設共同研究が本邦で進行している.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 34 (2), 98-107, 2014

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (28)*注記

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