待機的結腸癌根治手術における腹腔ドレーン非留置の妥当性の検討

  • 田島 雄介
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 石橋 敬一郎
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 幡野 哲
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 天野 邦彦
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 傍島 潤
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 岡田 典倫
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 隈元 謙介
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 石田 秀行
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of the Validity of Avoiding Placement of Surgical Drain in Elective Curative Colectomy for Cancer

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抄録

わが国の実地臨床において,大腸切除時の腹腔ドレーン非留置の妥当性・安全性については十分な検討がされていない.2010年6月以降,腹腔ドレーンを原則的に非留置の方針で行った待機的結腸癌根治術連続50例を対象に,ドレーン非留置の妥当性とドレーン留置が必要な症例の絞り込みについて後方視的に検討した.ドレーン留置の理由は術野汚染(1例)と出血に対するインフォメーション(4例)であったが,これらの5例に術後合併症は発生しなかった.実際にドレーンを留置しなかった45例(非留置群)と2010年5月以前にドレーンをルーチンに留置していた45例(対照群)の間で,縫合不全(0% vs. 2.2%,p=0.14),切開創感染(4.4% vs. 4.4%,p>0.99),臓器/腔感染(0% vs. 2.2%,p=0.14)の発生頻度や術後最高体温,白血球数,CRP値の推移に有意差を認めなかった.待機的結腸癌根治手術ではドレーン非留置の原則は妥当であるが,ドレーン留置が必要な症例を絞り込むには,さらなる検討を要する.

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参考文献 (12)*注記

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