完全内臓逆位に発症した十二指腸癌に対して膵頭十二指腸切除術を行った1例

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タイトル別名
  • A Case of Pancreaticoduodenectomy for Duodenum Cancer with Situs Inversus

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抄録

症例は81歳女性.幼少期より内臓逆位と診断されていた.肺炎にて入院した際に貧血を認め,上部消化管内視鏡検査を施行したところ十二指腸癌と診断し手術を行った.術式は膵頭十二指腸切除,ⅡA-1再建を行った.手術時間は8時間34分,出血量は160mlであった.手術に際し,CTの逆位イメージを作成するなど術前に十分な画像評価などを行っていたため,手術は安全かつスムーズに行うことができた.術後経過は良好で合併症もなく術後23日目に退院となった.内臓逆位症では脈管の変異が通常よりも頻度が高いことが報告されていることに加え,胆膵十二指腸領域の手術では重要な脈管が密接しているので画像検査などによる術前の解剖の把握が極めて重要である.

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