繰り返し胃軸捻転症をきたした傍食道型食道裂孔ヘルニアの1例

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タイトル別名
  • Paraesophageal Hiatal Hernia Causing Repetitive Gastric Volvulus: A Case Report

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抄録

症例は80歳男性.経口摂取直後の嘔吐と上腹部痛を主訴に当院を受診した.CTで胃前庭部が食道裂孔から縦隔内に脱出し,胃は逆α型に捻転していた.傍食道型食道裂孔ヘルニアに続発した間膜軸性の胃軸捻転症と診断した.嵌頓部での絞扼の所見はなく,保存的治療を行い待機的手術の方針としたが,経過中に自然に胃の捻転が解除されたため,手術は行わずに退院となった.退院後9日目に再度嘔吐が出現し,当院を受診.精査し胃軸捻症の再発を認めたため,開腹手術を施行した.術中所見では傍食道型食道裂孔ヘルニアへの胃前庭部の嵌頓による間膜軸性の胃軸捻転症を認めた.胃は容易に整復でき,直径4cmのヘルニア門を直接縫縮で閉鎖した.術後経過は良好で再捻転や食道裂孔ヘルニアの再発,逆流症状は認めていない.胃軸捻転症は保存的治療でいったん捻転が解除されても,再度捻転する可能性があり,手術による治療が望ましいと考えられた.

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