「いのちの水で綺麗になる」と述べた前思春期女児の心理的成長

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書誌事項

タイトル別名
  • “I will be purified by the Water of Life”
  • Psychological Growth of a Prepubertal Girl

抄録

本論文では, 不登校, 排尿恐怖症のあった小3女児との遊戯療法を取り上げ, 無意識の自律性という観点からの検討を行った。女児は自分を出せない不安や大人への恐怖があり, 弱視という問題を抱えていた。これらの内的な問題は, 遊戯療法において, 粘土遊びや描画を通して表現された。女児は, 粘土で, 自己像を投影した右目のないウサギと恐怖の対象である宇宙人の目玉を作った。遊びのなかで, 宇宙人の目玉は殺害され, その血液はウサギの右目として再生する。この血液は「いのちの水」イメージでもある。こうしてセラピストと共に想像することが, 自律的なイメージの発動を促した。女児は「いのちの水」イメージによって身体像を回復し, 子どもらしさを取り戻すことができた。無意識の自律性は, 他者や宇宙との繋がりを回復させ, 生命力の更新を可能にすることが明らかとなった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204471477248
  • NII論文ID
    130005095035
  • DOI
    10.11377/sandplay.26.1_31
  • ISSN
    2186117X
    09163662
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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