腹直筋内発生神経鞘腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of a Schwannoma Arisen from the Rectus Abdominis Muscle
  • 症例 腹直筋内発生神経鞘腫の1例
  • ショウレイ フクチョクキン ナイ ハッセイ シンケイ サヤ シュ ノ 1レイ

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抄録

神経鞘腫は上下肢を中心とした末梢神経の存在する部位に発生する.今回,腹直筋内という極めて稀な部位に発生した本疾患の1例を経験した.症例は53歳,女性.開腹歴なし.近医で左下腹部の腹壁腫瘤を指摘され,精査加療目的に当院へ紹介となった.腹部超音波検査では4cm大の腹直筋と連続した境界明瞭な分葉状の低エコー腫瘤を認めた.腹部造影CT検査では漸増性に造影された.腹部造影MRI検査ではT1強調画像で不均一に造影され,T2強調画像で内部がやや不均一な高信号を呈した.腹壁デスモイド腫瘍を第一に考え切除の方針とした.腫瘍と周囲の腹直筋,腹直筋後鞘と腹膜の一部を合併切除した.摘出は容易であった.病理組織学的診断は神経鞘腫で悪性所見は認めなかった.腹直筋内発生の神経鞘腫は現在まで6例の報告しかなく希少であるが,腹直筋内に腫瘤を認めた場合には本疾患も考慮することが推奨される.

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