食物アレルギーを有する子どもを養育する母親のQuality of lifeに関する検討

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  • Quality of life in the mothers of children with food allergy

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抄録

食物アレルギーを有する子ども(FA群)の母親の全般的な生活の質(QOL)について,0~6歳のFA群の母親280名と,食物アレルギーを有さない子ども(非FA群)の母親187名を対象とし,日本語版The World Health Organization Quality of Life-26(以下,WHOQOL26)を用いて比較検討した.FA群の約7割がアレルギー専門小児科診療所を主な受診施設としていた.FA群の母親は日常生活上での不自由やストレスを感じていたが,ストレスとの付き合い方や休養の取り方を心得ており,育児における夫の協働も得られていた.WHOQOL26について交絡因子を調整して比較した結果,FA群の母親と非FA群の母親には有意な差を認めなかった.小児アレルギー専門医による適切な診療を受けている子どもの母親は,日常生活の制約に対応する能力を高めていることが,全般的なQOLの低下を抑制していると考えられた.WHOQOL26では食物アレルギーの影響が十分に反映され難いため,FA群の母親に特異的な項目で構成されたQOL尺度を用いて検討する必要性が示唆された.

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