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抄録
【目的】発症早期かつ未治療の関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)の患者の末梢血におけるヘルパーT細胞をTh17細胞分画およびこの分画細胞のサイトカインの発現を解析する.【対象と方法】当科受診の早期RA 5例(罹病期間6ヶ月以下),罹病期間24ヶ月の未治療RA 1例および変形性関節症(OA)8例の末梢血におけるヘルパーT細胞をMACS法によりCD4+CD45RO+に分離したのちフローサイトメトリー法によりCCR6, CXCR3, CD161, IL-17, IFNγの発現を解析した.Human Immunology Project(Maecker et al. Nat Rev Immunol. 2012)によりTh17は細胞表面マーカーにより同定した.さらにCD161はヒトTh17の新規マーカーと報告されており(Cosmi et al. JEM 2008),CD161の発現も検討した.【結果】1)CCR6およびCXCR3の発現で4分割した場合,CCR6+CXCR3-分画にIL-17産生細胞の約80%が認められた.この分画のIL-17産生細胞の約80%はCD161+細胞であった.2)IFNγ+Th17細胞のmemory Th細胞に対する比率はRAとOAの間に統計学的有意差は認められなかったがRAではOAよりも少ない傾向が認められた.3)RAのIFNγ+Th17細胞のmemory Th細胞に対する比率は血清抗CCP抗体値と負の相関を示した.【結論】早期RAにおいてはIFNγ産生Th17細胞比が抗CCP抗体値と関連している可能性が示唆された.
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 38 (4), 317b-317b, 2015
日本臨床免疫学会