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抄録
【目的】IgG4関連疾患(IgG4-RD)は血清IgG4高値と罹患臓器のIgG4陽性形質細胞浸潤が特徴であり,形質芽細胞増加が疾患活動性と相関する.形質芽細胞への分化誘導能を有するT濾胞ヘルパー細胞(Tfh)にサブセットが報告されており,IgG4-RD病態への関与解明を目的とした.【方法】未治療IgG4-RD15名,原発性シェーグレン症候群(pSS)24名,アレルギー性鼻炎(AR)12名,健常人(HC)23名の末梢血Tfh(CD3+CD4+CD45RA−CXCR5+)およびサブセット(Tfh1: CXCR3+CCR6−, Tfh2: CXCR3−CCR6−, Tfh17: CXCR3−CCR6+),形質芽細胞(CD19+CD20−CD27+CD38+cell)をflowcytometryにより同定,血清サイトカイン,Tfh活性化マーカーであるPD-1発現レベルと臨床パラメータとの相関解析を行った.【結果】IgG4-RDではTfh2細胞数がpSS,AR,HCに比較し有意に増加しており,IgG4,IL-4濃度と強い正の相関を示した.さらに,Tfh2細胞数と形質芽細胞数にも強い正の相関を認め,Tfh2のPD-1発現レベルが上昇していた.ステロイド治療により形質芽細胞数,IgG4,IL-4およびPD-1発現レベルは有意に改善したが,Tfh2細胞数に変化は見られなかった.【結論】IgG4-RDはTfh2増加と活性化が特徴的であり,IL-4を介したIgG4産生および形質芽細胞分化への寄与が示唆された.また,治療により形質芽細胞数,IgG4,IL-4値と活性化マーカーは改善するが,Tfh2細胞数は改善せず,本疾患の新たな治療標的となる可能性が示唆された.
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 38 (4), 321b-321b, 2015
日本臨床免疫学会