中学校の担任教師はスクールカウンセラーの活動をどのように生かしているのか

  • 山本 渉
    東京都公立学校スクールカウンセラー

書誌事項

タイトル別名
  • How Do Junior High School Teachers Utilize School Counselors’ Advice? A Qualitative Analysis Using a Grounded Theory Approach
  • 中学校の担任教師はスクールカウンセラーの活動を どのように生かしているのか : グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた質的分析
  • チュウガッコウ ノ タンニン キョウシ ワ スクールカウンセラー ノ カツドウ オ ドノ ヨウ ニ イカシテ イル ノ カ : グラウンデッド ・ セオリー ・ アプローチ オ モチイタ シツテキ ブンセキ
  • —グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた質的分析—

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抄録

本研究の目的は, 中学校の担任教師が, 生徒・保護者への対応において, スクールカウンセラー(以下, SCと略記)の活動をどのように生かし, その結果どのような体験をしているのかを, 担任教師の視点からボトムアップ的に把握することであった。半構造化面接法にて収集された16名の中学校教師のインタビュー・データを, グラウンデッド・セオリー・アプローチを援用して分析した。その結果, 担任教師がSCの活動をどのように生かしているのかは, ≪担任のしづらい動きを担ってもらうことでゆとりを得る≫, ≪SCの情報や発言から生徒・保護者への理解を深める≫, ≪対応にあたってのガイドを得て判断の参考にする≫, ≪気持ちや考えへの保証を得て精神面の回復に役立てる≫の4つに整理されることが示唆された。これらのいずれか, あるいは複数の生かし方をした結果, 担任教師はそれまでよりも生徒・保護者に≪安定して対応できる≫ようになると考えられた。さらに, SCとの協働を経て≪安定して対応できる≫ようになることがきっかけとなり, 担任教師自身の≪対応スタンスの変化が促される≫場合もあることが示唆された。

収録刊行物

  • 教育心理学研究

    教育心理学研究 63 (3), 279-294, 2015

    一般社団法人 日本教育心理学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (5)*注記

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