腱板断裂の治療における医師・理学療法士の役割<BR>~保存療法の限界と手術適応の基準~

DOI
  • 森原 徹
    京都府立医科大学大学院医学研究科 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 立入 久和
    京都府立医科大学大学院医学研究科 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 藤原 浩芳
    京都府立医科大学大学院医学研究科 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 久保 俊一
    京都府立医科大学大学院医学研究科 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 三浦 雄一郎
    第一岡本病院 リハビリテーション部
  • 福島 秀晃
    第一岡本病院 リハビリテーション部
  • 甲斐 義浩
    京都橘大学健康科学部
  • 瀬尾 和弥
    京都府立医科大学附属病院 リハビリテーション部
  • 平本 真知子
    京都府立医科大学附属病院 リハビリテーション部
  • 東 善一
    京都府立医科大学附属病院 リハビリテーション部

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抄録

肩関節において肩甲上腕関節の安定化に重要な腱板は,中高年になるとしばしば断裂を生じる.断裂部が小さい場合,残存腱板の機能改善によって関節窩への求心位を再獲得できれば症状は軽快することが多い.しかし小断裂であっても,滑液包面で断裂端が反転している場合,リハによる疼痛や肩峰下インピンジメントの改善は難しく,しばしば手術療法が必要となる.一方断裂部が大きくなると,残存腱板による肩関節機能の維持が困難となる.肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節による運動連鎖によって上腕骨頭の関節窩への求心性を獲得するため,リハでは,特に三角筋と肩甲骨周囲筋の機能改善が重要となる.機能改善が得られない場合,再建術などの手術療法が選択される.個々の症例によって断裂腱の病態が異なるため,医師と療法士はどのようにすれば肩甲上腕関節の求心性を改善できるか,適切な肩甲骨運動はなにかを科学的に考慮しながらリハを行うことが重要である.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 39 (3), 682-686, 2015

    日本肩関節学会

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