鼻腔内の過剰歯を本院耳鼻咽喉科と連携し内視鏡下に摘出した1例

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  • Endoscopic Removal of Intranasal Supernumerary Tooth in Cooperation with Otorhinolaryngologists at Kyushu University Hospital

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抄録

今回我々は,6 歳8 か月の男児の右鼻腔内に異所性過剰歯を認めた1 例を経験した。患児の初発症状は鼻出血と鼻汁で抗菌薬投与でも改善しなかった。かかりつけの耳鼻科にて行われた鼻腔の内視鏡検査により,異所性歯の存在が疑われ当科を紹介された。当科にて単純CT 検査を施行したところ,右鼻腔底前方に過剰歯を認めた。過剰歯の形態は犬歯様で,歯根相当部は軟組織腫瘤に包まれ鼻腔内に孤立して存在していた。上顎骨の吸収像および乳切歯・永久切歯歯胚の位置異常は認めなかった。本院耳鼻咽喉科と連携し,鼻内より内視鏡下に過剰歯を含む有茎性の腫瘤を切歯孔へと続く基部で切除し腫瘤と過剰歯を一塊として摘出した。摘出物の病理組織所見では,過剰歯はエナメル質,象牙質,セメント質が正常な歯と同様に配置された構造をしていた。しかし,歯髄は壊死し歯の周囲には炎症性肉芽組織の増生を認め,本過剰歯が難治性の鼻症状の原因と考えられた。現在のところ術後の経過は良好である。再発に注意しながら経過観察を行う方針である。

収録刊行物

  • 小児歯科学雑誌

    小児歯科学雑誌 52 (4), 551-558, 2014

    一般財団法人 日本小児歯科学会

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