急性消化管出血に対する緊急内視鏡検査：内視鏡止血およびAIMS65スコアは予後予測に有用である

DOI 被引用文献1件
  • 中村 昌太郎
    岩手医科大学 内科学講座消化器内科消化管分野 九州大学大学院 病態機能内科学 九州大学 先端医療イノベーションセンター
  • 松本 主之
    岩手医科大学 内科学講座消化器内科消化管分野 九州大学大学院 病態機能内科学
  • 杉森 宏
    九州大学病院 救命救急センター
  • 江崎 幹宏
    九州大学大学院 病態機能内科学
  • 北園 孝成
    九州大学大学院 病態機能内科学
  • 橋爪 誠
    九州大学 先端医療イノベーションセンター 九州大学病院 救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • EMERGENCY ENDOSCOPY FOR ACUTE GASTROINTESTINAL BLEEDING : PROGNOSTIC VALUE OF ENDOSCOPIC HEMOSTASIS AND THE AIMS65 SCORE IN JAPANESE PATIENTS

この論文をさがす

抄録

目的：急性消化管出血患者におけるリスクスコア（Glasgow-BlatchfordスコアおよびAIMS65スコア）を含む予後因子を評価すること．<BR>方法：過去5年間に消化管出血が疑われ，緊急内視鏡検査を受けた患者192例に対する内視鏡検査232件（上部内視鏡130件，下部内視鏡102件）を対象とし，その診療録を遡及的に解析した．<BR>結果：対象患者の年齢中央値は66歳で，男性が64％を占めた．内視鏡で出血源が同定できた者は173例（腫瘍性病変に対する内視鏡治療後36例，大腸憩室34例，胃十二指腸潰瘍29例，胃びらん15例，血管拡張14例，生検後出血13例，悪性腫瘍10例，炎症性疾患9例，食道胃静脈瘤5例，マロリー・ワイス裂創4例，鼻出血3例，ブリスターパックによる傷害1例）であった．輸血を97例（51％），内視鏡的止血を97例（51％）に施行した．経過観察中に49例（26％）で再出血を認め，このうち7例でinterventional radiologyを行った．種々の原因疾患により39例（20％）が死亡した．3年および5年生存率は各々71％および67％であった．Cox多変量解析の結果，輸血，内視鏡的止血およびAIMS65高スコアが独立した予後不良因子であった．<BR>結論：AIMS65スコアは急性消化管出血患者の予後予測に有用である．

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ