正常圧水頭症で発症した軟髄膜原発B細胞性リンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • Primary leptomeningeal B-cell lymphoma with normal pressure hydrocephalus at diagnosis
  • 症例報告 正常圧水頭症で発症した軟髄膜原発B細胞性リンパ腫
  • ショウレイ ホウコク セイジョウアツ スイトウショウ デ ハッショウ シタ ナンズイマク ゲンパツ B サイボウセイ リンパシュ

この論文をさがす

抄録

症例は80歳男性。歩行障害,物忘れで発症,頭部MRIと髄液排除試験で正常圧水頭症が疑われたが,髄液の細胞診とフローサイトメトリーの所見からB細胞性リンパ腫と診断した。頭部・脊髄MRIでは脊髄の腹側,背側表面に造影効果を認め,軟髄膜原発悪性リンパ腫(PLML)と診断。Methotrexate (MTX)髄注開始後,髄液所見,健忘症状,歩行障害は改善し,造影MRIの髄膜病変は消失した。3か月後に左顔面神経麻痺症状で再発したが,rituximab投与とMTX髄注で神経症状は消失した。その後造影MRIで脊柱管内に腫瘤性病変を認めたが,3か月ごとのMTX髄注のみで発症後4年間,神経症状なく経過している。PLMLは診断が困難で非常に稀な疾患であるが,定期的な髄注が病勢進行の抑制に有効であった。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (12), 2441-2446, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ