右頭頂後頭葉出血により輻湊不全型外斜視を発症した1例

DOI
  • 蒲生 真里
    神奈川歯科大学附属横浜クリニック眼科
  • 原 直人
    神奈川歯科大学附属横浜クリニック眼科 国際医療福祉大学 保健医療学部 視機能療法学科
  • 君島 真純
    神奈川歯科大学附属横浜クリニック眼科
  • 鈴木 裕美
    神奈川歯科大学附属横浜クリニック眼科
  • 向野 和雄
    神奈川歯科大学附属横浜クリニック眼科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Exotropia with Convergence Insufficiency due to Right Parieto-occipital Lobe Hemorrhage

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抄録

症例は22歳男性.右頭頂後頭葉領域の脳動静脈奇形による脳出血により,開頭手術直後から複視を自覚し外斜視に気づき,発症2年後に近医より当院眼科へ斜視手術目的で紹介された.第一眼位は右外斜視.動的視野検査で左下1/4半盲を認め,眼球運動は全方向に制限なく,近見反応は輻湊不全がみられ,他覚的調節検査にて特に右眼の調節の減弱を認めた.対光反応は左右眼の差なく正常であった.右外直筋後転術8mmを施行した後,輻湊が可能となり眼位は正位を保つようになった.頭頂後頭葉領域は近見反応にとり重要な領域であり,輻湊不全型外斜視発症の重要な責任領域の可能性があると考えられた.

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 32 (4), 377-383, 2015

    日本神経眼科学会

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