ブラシカ属における禹の三角形の類縁関係と一致する <i>PolA1</i> 遺伝子の分子系統関係

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  • Phylogeny of <i>PolA1</i> Gene Consistent with the Relationships of U’s Triangle in <i>Brassica</i>
  • Phylogeny of PolA1 Gene Consistent with the Relationships of U's Triangle in Brassica

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抄録

ブラシカ属は,さまざまな重要な種を含んでおり,3 つの二倍体種:Brassica rapa(A ゲノム),B. nigra(B ゲノム),B. oleracea(C ゲノム)と 3 つの複二倍体種:B. juncea(AB ゲノム),B. napus(AC ゲノム),B. carinata(BC ゲノム)が U の三角形を構成している.これら A,B,C ゲノムの類縁関係を解明するために多数の遺伝子の塩基配列が解析されてきたが,ひとつの核遺伝子の系譜が U の三角形全体の類縁関係と一致する例は知られていない.植物の核ゲノム配列は,種間雑種の対立遺伝子座間で遺伝的な組み換えを起こすが,私達は,RNA ポリメラーゼ I 複合体の最大サブユニットをコードする PolA1 遺伝子の第 19 イントロンおよび Nucleotide tag(Ntag)配列がクサビコムギ(Aegilops speltoides)の起源に関与した浸透交雑の間にほとんど組み換えを起こしていないことを見出した.組み換えた配列を含む分子系統解析では,その組み換えが生じた以前の系譜を解明することはできないので,本当の進化経路を明らかにするためには,組み換えていない配列のみを解析することが必要である.本研究において,ブラシカ属 6 種の PolA1 遺伝子の分子系統関係は,U の三角形と明瞭に一致する事が明らかになった.加えて,B. napus の 2 つのグループは,B. rapa の 2 つのグループと B. oleracea との間の交雑および複二倍体化によりそれぞれ独立に起源したことを示唆する結果を得た.

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