アダリムマブの有効性と関節破壊抑制効果

DOI
  • 塩沢 和子
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 田中 泰史
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 吉原 良祐
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 中川 夏子
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 香山 幸造
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 村田 美紀
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 寺島 康浩
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 田中 千尋
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 山根 隆志
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 松田 茂
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 横山 公信
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 立石 耕司
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 葉 乃彰
    財団法人甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター
  • 橋本 哲平
    神戸大学医学部付属病院リウマチセンター
  • 柱本 照
    神戸大学医学部付属病院リウマチセンター
  • 塩沢 俊一
    神戸大学医学部付属病院リウマチセンター

書誌事項

タイトル別名
  • A study of adalimumab treatment for rheumatoid arthritis: analysis of the clinical course and the effect on joint destruction

この論文をさがす

抄録

目的:関節リウマチ(RA)患者に対するアダリムマブ(ADA)の臨床成績を検討する.<br> 方法:2008年6月~2010年8月までの2年3カ月間に甲南加古川病院と神戸大学リウマチセンターで新規にADAを投与されたRA患者159名(年齢57.8±12.8,女性129名,男性30名,クラス2.1±0.6,ステージ2.9±1.0)を対象に治療成績を検討した.同時に,生物製剤初回導入患者群(ナイーブ群)と他の生物製剤からの変更患者群(スイッチ群)の治療成績,MTXの併用効果,関節破壊抑制効果を調査した.<br> 結果:⑴159例中115例(72.3%)はナイーブ群,44例(27.7%)はスイッチ群であった.ADA開始1年の時点でCRP,ESR,MMP-3はナイーブ群・スイッチ群とも前値より有意に改善したが,改善の度合いはナイーブ群が良かった.ADA継続率に関して,ナイーブ群(115例)およびインフリキシマブからの切り替え例(17例)は6ケ月後約80%が継続していたが,エタネルセプトからの切り替え例(17例)は38%,2剤以上生物学的製剤を処方後の切り替え例(8例)は62%であり,ADA継続率はナイーブ群がスイッチ群に較べて良好であった.⑵159例中108例(67.9%)はADA/MTX併用群,51例(32.1%)はADA単独投与群であった.全経過を通じ,DAS28/CRP4は両群とも前値より有意に改善したが,MTX併用群はCRPが3~9カ月後ADA単独群に比べ有意に低下した.⑶159例中ADA開始後1年を経過した46例のうち14例(30.4%)は,手レントゲン写真で評価したHeijde変法シャープスコアが悪化しなかった.同様に46例中39例について年間関節破壊進行度(ΔTSS)を評価したところ,ADAは関節破壊を有意に抑制した.<br> 結語:ADAはナイーブ群で有効性と継続率が高く,その効果はMTX併用によって増強された.また,ADAは関節破壊を抑制することが示された.

収録刊行物

  • 臨床リウマチ

    臨床リウマチ 23 (1), 37-47, 2011

    一般社団法人 日本臨床リウマチ学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ