科学技術の進歩と聴覚医学

  • 山本 典生
    京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Application of regenerative medicine to audiology
  • 「再生医療技術の聴覚医学への応用」

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抄録

要旨: 再生医療は文字通り何らかの障害を受けた臓器を, 臓器の発生を繰り返すことにより再生させて機能を回復させる医療である。幹細胞医学や発生生物学の発達により, 従来自然には再生することがないとされていた臓器も再生医療の対象となってきている。感音難聴治療の対象となる有毛細胞の再生に必要な技術について, 1. 幹細胞などの細胞, 2. 成長因子や発生に重要な役割を果たす因子, 3. 組織内の幹細胞とその環境の操作, の再生医療に重要な3要素に分けて, 主に今世紀に入ってからの研究の歴史と現状を概説した。一部の技術は臨床応用目前まで来ているが, 再生に必須の内耳発生について解明されていないことが多いため, 効率的な再生医療を行うためにはさらなる内耳発生の知識の蓄積が必要である。

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