応答曲面法によるため池破堤リスクの簡易評価

  • 水間 啓慈
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
  • 西村 伸一
    岡山大学大学院 環境生命科学研究科
  • 柴田 俊文
    岡山大学大学院 環境生命科学研究科
  • 珠玖 隆行
    岡山大学大学院 環境生命科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Simplified Estimation of Risk from Floods due to Earth Dam Breaches Using Response Surface Methods
  • オウトウ キョクメンホウ ニ ヨル タメイケハテイ リスク ノ カンイ ヒョウカ

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抄録

ため池の破堤は下流域に大きな洪水を発生させ, 農業水利施設の中で最も甚大な被害を生じさせる事象の一つである.したがって, ため池破堤時の被害額を適切に推定することは, 土地改良事業のリスク評価やリスク管理に取り組む上で非常に重要な課題となっている.ため池破堤リスクの評価には, 氾濫解析を行った上で氾濫域の資産データを収集整理し被害額を推定する手法が一般的に用いられている.しかしながら, この手法は複雑であり, 作業に多くの時間や労力が必要となるため, 計画段階で実施する概略検討に適用することは困難である.このような背景から筆者らは, 複雑な解析を簡易な代替モデルで置き換える応答曲面法に着目し, ため池破堤による被害額を算定する応答曲面(Response Surface)を先に提案した.本研究では, 筆者らが提案した応答曲面を集中豪雨時におけるため池破堤のリスク評価に適用し, その実用性について検証することを目的とする.実在する4つのため池地区の応答曲面による被害額と既定の手法による被害額との差の値は, 応答曲面を作成した21ケースの不偏分散よりも小さい結果となり, 提案した手法は集中豪雨によるため池破堤リスクの簡易評価への活用が期待される結果が得られた.

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