各種観測更新アルゴリズムによる事後確率分布の推定

• 珠玖 隆行

  岡山大学大学院 環境生命科学研究科

• 吉田 郁政

  東京都市大学 工学部都市工学科

• 山本 真哉

  清水建設（株） 技術研究所

• 田中 耕司

  （株）建設技術研究所 大阪本社水システム部

• 藤澤 和謙

  京都大学大学院 農学研究科

• 野村 泰稔

  立命館大学 工学部都市システム工学科

書誌事項

タイトル別名

• ESTIMATION OF POSTERIOR PROBABILITY DENSITY DISTRIBUTIONS BY SOME FILTERING ALGORITHMS FOR OBSERVATION UPDATE

抄録

本研究では，既存の観測更新アルゴリズムの信頼性評価への適用性について，事後確率分布の推定精度に着目し検討している．代表的な観測更新アルゴリズムとしてParticle Filter (PF)，Ensemble Kalman Filter (EnKF)，Gaussian Mixture Filter (GMF)，Merging Particle Filter (MPF)，Markov Chain Monte Carlo (MCMC) method，Iterative Particle Filter with Gaussian Mixture Model (IPFGMM)に着目し，各アルゴリズムを2自由度せん断モデルにおける層剛性の事後確率分布推定問題に適用した．事後確率分布が単峰性および多峰性を示す2ケースの条件を設定し，事後確率分布の理論解と各アルゴリズムによる推定結果を比較した．事後分布が単峰性の場合，ほとんどの観測更新アルゴリズムで事後確率分布を精度よく推定できることを確認した．しかしながらEnKFでは，事後確率分布が単峰性であっても正規分布に従わない場合には推定精度が低いことが明らかとなった．EnKFやMPFでは多峰性を示す事後確率分布を推定することができないが，PF，GMF，MCMC，IPFGMMでは精度よく推定可能であり，その中でもIPFGMMが最も計算効率が高いことが明らかとなった．1回のシミュレーションの計算負荷が小さく多数のサンプルが確保できる問題であれば，実装の容易さからもPFを用いることが推奨されるが，少ないサンプル数で精度よく事後分布を推定したい場合は，計算手続きは増えるもののIPFGMMが推奨される．

収録刊行物

• 土木学会論文集Ａ２（応用力学）

  土木学会論文集Ａ２（応用力学） 71 (2), I_59-I_70, 2015

  公益社団法人 土木学会

キーワード

• observation update
• posterior probability density functions
• Kalman filter
• particle filter

詳細情報

• CRID: 1390282680327269120
• NII論文ID: 130005128827
• DOI: 10.2208/jscejam.71.i_59
• ISSN: 21854661
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejam/71/2/71_I_59/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可