書誌事項
- タイトル別名
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- The possibility of a novel pain control system through brain long chain fatty acid receptor GPR40/FFAR1
- ノウナイ チョウサ シボウサン ジュヨウタイ GPR40/FFAR1 オ カイシタ アラタ ナ トウツウ セイギョ キコウ ノ カノウセイ
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抄録
脂肪酸由来の様々な因子が疼痛や炎症に関与していることが明らかになりつつある.特に,ドコサヘキサエン酸(DHA)のようなn-3系脂肪酸の摂取は炎症性疼痛ならびに神経障害性疼痛に対して有効性が高いことが強く示唆されている.近年,DHAのような遊離型の長鎖脂肪酸がGタンパク質共役型受容体の1つである長鎖脂肪酸受容体GPR40/FFAR1のリガンドであることが発見された.これらの受容体を介した脂肪酸シグナルは,末梢領域においてインスリンなどのホルモン分泌の調節を介して糖・脂質代謝の恒常性維持に関与していることから,糖尿病治療薬の標的分子として注目されている.一方,中枢神経系領域においては,これら受容体は広範囲にわたって発現していることが知られているにもかかわらず,生理的な意義やその役割はほとんどわかっていない.最近我々は,DHAによる抗侵害作用の発現には脳内の長鎖脂肪酸受容体GPR40/FFAR1を介したβ-エンドルフィンの遊離が関与していることを示した.さらに,GPR40/FFAR1は下行性疼痛制御系の起始核である青斑核および大縫線核領域に発現していることを見出し,GPR40/FFAR1アゴニストがこれらの神経系を直接的または間接的に活性化することで,痛みを抑制することを明らかにしている.一方,慢性疼痛時には脳内GPR40/FFAR1のタンパク質発現が,一過性に発現増加することやGPR40/FFAR1アゴニストの遊離脂肪酸が変動することを報告している.また,これらの変動にはアストロサイトが関与していることも示した.これらの知見は,脳内の遊離脂肪酸を介したGPR40/FFAR1シグナル伝達機構が,疼痛制御機構の調節に重要な役割をしていることを示唆するものである.本総説では,脳内GPR40/FFAR1の新たな生理作用としての疼痛制御機構における役割について紹介する.
収録刊行物
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- 日本薬理学雑誌
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日本薬理学雑誌 146 (6), 302-308, 2015
公益社団法人 日本薬理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679252362752
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- NII論文ID
- 130005129756
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- NII書誌ID
- AN00198335
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- ISSN
- 13478397
- 00155691
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- NDL書誌ID
- 026966418
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- PubMed
- 26657120
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可