甲状腺がんと放射線障害

  • 大津留 晶
    福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター 福島県立医科大学放射線健康管理学講座
  • 緑川 早苗
    福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター 福島県立医科大学放射線健康管理学講座
  • 坂井 晃
    福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター 福島県立医科大学放射線生命科学講座
  • 志村 浩己
    福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター 福島県立医科大学臨床検査医学講座
  • 鈴木 悟
    福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター 福島県立医科大学甲状腺内分泌学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Thyroid Cancer and Radiation
  • 医学と医療の最前線 甲状腺がんと放射線障害
  • イガク ト イリョウ ノ サイゼンセン コウジョウセン ガン ト ホウシャセン ショウガイ

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抄録

甲状腺は放射線に対して発がん感受性が高い臓器の1つと捉えられている.甲状腺がんの放射線発がんリスクは,被曝時年齢が若いほど高くなる.放射線は発がん因子の1つとしても,二次発がんという観点でも重要である.原爆被曝者の調査では,外部被曝による甲状腺がんリスク増加が示された.チェルノブイリ原発事故は,放射性ヨウ素の内部被曝が発がんの原因となった.いずれも100 mSv(ミリシーベルト)以上から徐々に有意となり,線量が高いほど罹患率が上昇する,線量依存性が見られている.東京電力福島第一原発事故後,小児甲状腺がんに対する不安が増大し,福島では大規模なスクリーニング調査が開始されている.本稿では,放射線と甲状腺がんについて,これまでの疫学調査と病理報告を概説し,放射線誘発甲状腺がんの分子機構の最前線に触れ,最後に小児甲状腺がんスクリーニングについての考え方についてまとめた.

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