生物発光酵素を用いた分子イメージング技術の進歩

  • 金 誠培
    国立研究開発法人産業技術総合研究所つくばセンター西事業所
  • 藤井 理香
    国立研究開発法人産業技術総合研究所つくばセンター西事業所

書誌事項

タイトル別名
  • Recent Advances in Molecular Imaging Technologies with Luciferases
  • セイブツ ハッコウ コウソ オ モチイタ ブンシ イメージング ギジュツ ノ シンポ

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抄録

最近20年間,生体および生細胞内分子現象のイメージング技術は著しい発展を遂げてきた。この発展をけん引した背景には優秀な発光標識(蛍光タンパク質と生物発光酵素)の樹立があり産業的な用途を拡大している。蛍光タンパク質はカメラやレーザーなどの光学系技術と融合し,今日においては単一分子イメージングも可能な技術的進歩を遂げている。一方,ホタルルシフェラーゼに代表される生物発光酵素は,抗体の発光団,生体の生物発光イメージング(BLI)や各種バイオアッセイのレポータータンパク質としてバイオ産業全般に利用されている。このように蛍光タンパク質と生物発光酵素を用いた生体内分子イベントのイメージングは,特異的かつ定量的にできる点で,従来の生体イメージング技術であるMRI,PET,CT,Ultrasoundなどとは大きく区別される。これら従来技術は,非特異的な分子現象(例:核スピン,放射線,音響)に基づいており,いずれも物理的,定性的,低感度である。本総説では,生物発光酵素を基盤とした最近の分子イメージング技術の進歩と研究成果を簡略にレビューする。

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 88 (12), 407-411, 2015

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (8)*注記

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