親はどのように乳児とコミュニケートするか:前言語期の親子コミュニケーションにおける代弁の機能

書誌事項

タイトル別名
  • The Function of Parental Proxy Talk in Pre-Verbal Communication
  • オヤ ワ ドノ ヨウ ニ ニュウジ ト コミュニケート スル カ : ゼン ゲンゴキ ノ オヤコ コミュニケーション ニ オケル ダイベン ノ キノウ

この論文をさがす

抄録

親はまだしゃべらない乳児と,どのようにやりとりができるのだろうか。本研究は,前言語期の親子コミュニケーションにおける代弁の月齢変化とその機能について検討するため,生後0~15ヶ月の乳児と母親とのやりとりについて,代弁の量的および質的分析,および,非代弁についての質的分析を行った。その結果,代弁は,「促進」や「消極的な方向付け」,「時間埋め」,「親自身の場の認識化」といった12カテゴリーに該当する機能が見いだされた。それらは,「子どもに合わせた代弁」や「子どもを方向付ける代弁」,および,「状況へのはたらきかけとしての代弁」や「親の解釈補助としての代弁」としてまとめられ,そこから,代弁は子どものために用いられるだけでなく,親のためにも用いられていることがわかった。また,代弁の月齢変化についての考察から,(1)0~3ヶ月;代弁を試行錯誤しながら用いられ,徐々に増える期間,(2)6~9ヶ月;代弁が子どもの意図の発達に応じて機能が限られてくる期間,(3)12~15ヶ月;代弁が用いられることは減るが,特化された場面では用いられる期間の,3つで捉えられることが示唆された。そのうえで,代弁を介した文化的声の外化と内化のプロセスについて議論を試みた。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 25 (1), 23-37, 2014

    一般社団法人 日本発達心理学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ